コラム

【白血病闘病記13】微小残存病変と生きるための選択肢とは?

運営者の宮平です。

まずは2022年、明けましておめでとうございます。

昨年、沖縄を盛り上げたいという気持ちで立ち上げた当サイトですが、9月に白血病の診断をされたため、ほとんどが闘病記となっています。

でも僕のこの発信を見て、今まさに白血病や他の病気で闘っている方に勇気を与えられれば僕も嬉しいですし、これからの人生どのように生きていくべきか、健康な人にも見直すきっかけになれば本当に嬉しいです。

そして今回は現在の状況を書かせてください。

白血病細胞は5%以下の状態

引用:https://ganclass.jp/kind/all/therapy/

 

9月に始めた白血病の治療ですが、最初は「寛解導入療法」という治療を始めました。

この治療の目標は白血病細胞を5%以下にまで減らすという「完全寛解」という状態にすることです。

約1ヶ月の寛解導入療法を経て、白血病細胞を5%以下まで減らすことができました。

次に10月末から始めた「地固め療法」では残っている白血病細胞を減らして再発を防止することが目標でした。

「寛解導入療法」と「地固め療法」は治療の目標が違うだけで、抗がん剤を投与するという行為は変わらずって感じでした。

 

ただ、地固め療法で使用した薬が僕の体に合わず、地固め療法が打ち切りになりました。

詳しくは以下の記事に書きました。

【白血病闘病記11】第2回地固め療法で記憶喪失!?人工透析することに...運営者の宮平です。 前回のブログで第2回目の地固め療法が開始するという発表して今日まで時間が空いてしまいました。 結論から言...

 

別記事で紹介している薬「メソトレキセート」が地固め療法では鍵となる薬で、これが自分の体と合わないことがわかり、地固め療法ができないと言われてしまいました。

 

この時の感情は、

「生きるための選択肢を一つ減らしてしまった・・・」

「というかこんな呆気なく”できない”と言われるものなのか?」

と、ショックと苛立ちが込み上げていました。

 

地固め療法ができなくなったということで、12月からは「維持療法」で使用される薬で治療しています。

【白血病闘病記12】3回目の入院!「べスポンサ」という薬とは?運営者の宮平です。 12月11日〜16日に2回目の一時退院をしました。 普通の生活に戻ると、改めて 「日常生活...

本来であれば、地固め療法を経て白血病細胞が無くなった時に再発防止のために使われる薬ですが、白血病細胞が残っていないことが確認できていないこのタイミングで使うことになっています。

 

微小残存病変(MRD)があるか検査中

引用:https://yusukeokuno.com/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%8C%E3%82%93%E3%82%92%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%81%A7%E6%B2%BB%E3%81%99/

 

ずらっと現状を書きましたが、改めてまとめると、

  • 白血病細胞は5%以下
  • 地固め療法が打ち切りのため治療法を模索中

というのが今の現状です。

治療法を模索しているのは僕としてはかなり不安な時間が続いていますが、なぜ医者が模索しているのかは一つの検査結果待ちということがわかりました。

 

毎回、入院するたびに骨髄検査などをして白血病細胞のどれくらい残っているのか確認するのですが、顕微鏡では確認できないレベルまで少なく、小さくなっていました。

 

そして、今は顕微鏡で見えないレベルの白血病細胞の有無と細胞の遺伝子解析を行っており、その結果待ちというところまで来ています。

 

遺伝子解析をすることで、

  • 白血病細胞のどこに変異があるのか
  • 遺伝子変異を持っている白血病細胞にだけきく薬が投与できる(分子標的薬)

といった効果が期待できます。

しかし、前例のない遺伝子変異があったり、そもそも遺伝子変異が不明なことも少なくはありません。

その場合、取られる処置が造血幹細胞移植(骨髄移植)です。

造血幹細胞移植するかどうかが今後の大きな分かれ道

今後の治療としてまずキーになるのが、「微小残存病変の有無」と「遺伝子解析結果」です。

  • 微小残存病変が残っていない場合→移植などはせずそのまま維持療法
  • 微小残存病変が残っている場合→遺伝子解析に準じて治療をする

しかし、先ほど述べたように、遺伝子解析の結果が見つからないとか前例のない遺伝子変異だった場合は造血幹細胞移植になる可能性が高いです。

 

そこで、少し移植についての話をします。

移植するには白血球の型が一致する人がいないとできない

移植をするといっても、自分と同じ白血球の型を持っている人がいないと移植はできません。

A型、B型、O型、AB型と言われる血液型は、赤血球の型であり、移植にはこの血液型は関係なく、HLA型と言われる白血球などの型が一致しないといけません。

 

HLA型が一致していて、血液型が違っている人から移植を受けたら、その人の血液型に変わるみたいです。

そしてこのHLA型ですが、一致する確率を話すと

  • 兄弟間で4分の1 ※両親とは一致しない
  • 非血縁者間で数百から数万分の1

 

非血縁者からどのように移植を受けるのかというと

骨髄バンクの登録者から探すしかありません。

現在日本に登録されている骨髄バンク者は、約53万人ですが、まだまだドナーが見つからず困っている人もいます。

僕も移植するとなると、この骨髄バンクを利用する可能性もあります。。

僕も含めて、ドナーを探すためには多くの方の登録が必要となりますので、もしご興味のある方がいれば一度公式ホームページをご覧になってください。

移植することでの生存率

「移植した方が完治もしやすいし再発もしにくいんでしょ?」

なんて声も聞かれますが、必ずしもそうとは限らないようです。

 

移植は効果的な治療が得られる反面、最も体に負担がかかり、最悪死に至ることもあります。

移植する前の前治療として、大量の抗がん剤の投与と放射線治療を行う必要があります。

実はこの治療自体で、2〜3割の人が亡くなるみたいです。

そして移植後も再発する人はいるデータがあり、移植後の5年生存率は約5〜6割

 

命をつなげるために行う治療なのに、治療自体で死ぬって逆に笑えてきます。

僕がこの先5年生き延びるためには、命懸けの治療に望まなければならないということですね。

 

とはいっても、普通の風邪でも絶対に死なないという保証もなく、ただただ確率論的に白血病の治療が高いんだなぁくらいで捉えても僕はいいと思っています。

(そもそも10万人に1人の確率で白血病になっているし・・)

ちょっと暗い雰囲気になりそうなのですが、現在の状況としては

「微小残存病変の有無」と「遺伝子解析」こちらの結果待ち

  • 微小残存病変が残っていない場合→移植などはせずそのまま維持療法
  • 微小残存病変が残っている場合→遺伝子解析に準じて治療をする(移植もあり得る)

まとめ

今の状況をバカ正直に書いてみました。

なんとなく暗い情報ばかりで不安にさせたかもしれませんが、今リアルタイムで起きていることを把握して欲しいと思って書いています。

このサイトをご覧になっているあなたを始め、本当に多くの人からのサポートがあって2022年も生き延びていることができています。

本当にありがとうございます。

 

「何か自分にもできることない?」

「何か欲しいものとかある?」

と聞かれることもあるのですが、その気持ちだけで十分勇気をもらっています。

 

贅沢を言うならば

  • 献血
  • 骨髄バンクの登録

これをやってくれると僕や他の白血病患者さんも一番嬉しいです。

 

ではでは、2022年も良い年にしていきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。