運営者の宮平です。
12月11日〜16日に2回目の一時退院をしました。
普通の生活に戻ると、改めて
「日常生活を送ることってこんなにも楽しいんだ!」
と感じます。
もし、この一時退院のリフレッシュ期間がなければ、病気と闘う意味がわからなくなったり、気力がなくなったりして
「こんなきつい思いするくらいならあの世に逝った方がましかも・・」
なんてメンタル的にやられるのかもしれません。
(もちろん、そこまで落ち込むつもりはありません!)
白血病に限らず、病気になれば気分の浮き沈みがある程度仕方がないことだと僕は思っていています。
日常生活でも気分が落ち込む時って絶対あるので、その起伏を受け入れた上で
「体は病気でも、心は健康であり続ける」
ということは保ちながら過ごしていきたいと思っています。
今回の内容は次の治療の内容と使用する薬「べスポンサ」についてまとめて見たいと思います。
また最後に、「病人への声がけ」をテーマに今の立場から言える僕の考えを書いてみました。
べスポンサという薬とは?
次の治療クールで使う薬の「べスポンサ」
医師からの説明を受けて、自分なりにも調べて見た内容を書いてみたいと思います。
この薬は地固め療法の時点で使用する薬ではなく、
白血病の再発もしくはCD22抗原があることが確認された患者に使用する薬だそうです。
CD22抗原・・・白血病細胞の表面にあるタンパク質
「CD22抗原があることが確認された患者」とあるので、もちろん確認できなかった白血病細胞も中にはあります。
僕の場合は、先生から「CD22が確認できました」なんて言われてないですから、どちらかというとあるかどうかわからないのが現状だと思います。
今までの抗がん剤治療と違うところは、
特定の白血病細胞をめがけて治療するということであり、
これまで使用した抗がん剤治療は、良い細胞も悪い細胞も関係なしに破壊する薬を投与していました。
そして、この「ベスポンサ」という薬がどういう仕組みになっているのかというと
- CD22と結合する抗体
- 抗がん剤
この2つが合体した薬になり、以下の働きで白血病細胞を無くしていきます。
- CD22がある白血病細胞とベスポンサが結合する
- ベスポンサについている抗がん剤のみが切り離される
- その抗がん剤がCD22がついている白血病細胞のDNAを切断して、細胞を死滅する
ちなみにですが、この薬を作っているの会社のひとつが、コロナワクチンを作ったファイザー社らしいです。
「ファイザーって実はめちゃくちゃすごいな!」
みたいなことを家族や友達と話しました。
この「ベスポンサ」を週1回のペースで2ヶ月間行う予定です。
効果があるかどうかというのは、僕の場合CD22が確認できていないので使ってみないとわからないのですが、効いてくれることを願っています。
ベスポンサの副作用
抗がん剤治療と副作用はやはりセットであるのが現実。。。
今回はどんな副作用があるのかドキドキしながら調べてみましたが、主に以下の副作用が報告されているようです。
- 肝障害
- 骨髄抑制(赤血球や白血球などが生産されなくなる)
- 感染症
- アレルギー反応
- 腫瘍崩壊症候群
腫瘍崩壊症候群・・・白血病細胞が急速に死滅することによって、細胞内の成分が体内に残り(蓄積され)、尿酸増加・電解質のバランスが崩れる
主な症状・・・意識の低下、判断力の低下、尿が減る、血尿、息苦しい
特に怖いのが「肝障害」です。
前回の治療で使用した薬では、肝機能・腎機能がやられたため、今回もその症状が発生するのではないかと心配しています。
あまり心配はしてはいないものの、肝臓の機能が低下する疾患で、死亡に至った例もあるみたいです。
肝障害を受けないために、
- 塩分制限をする(肝臓・腎臓への負担を減らすため)
- 水を毎日3リットル以上を飲む(肝臓・腎臓の状態を良くするため)
ということをやっています。
治療以外でも、自分ができることは全てやってやろうという気持ちでやっています。
今後の治療について
今回使用するベスポンサがうまく効くかどうかは現時点ではわからず、使ってみないとわからないのが現状。
とりあえず、2022年の2月まで使用してみて様子を見るという態勢です。
そして、今後の大きな分かれ道が骨髄移植をするかどうかということになります。
実際にするとなったらまた改めてどんな治療なのかまとめてみますが、大袈裟でもなんでもなく、今後の治療一つ一つが命懸けになると思います。
こんなことを言うと、少し怖い話のように聞こえるかもしれませんが、
白血病になっても今元気に生活している人もいれば、小さな風邪なのに亡くなる人もいるので、
「どんな病気・治療も100%治ることは保証はされていない」
ということを考えればそこまで深刻になる必要もないのかなぁと。
ただ、自分の状態にあった治療法(治すための選択肢、)はあるに越したことはないので、先生の紹介で、一時退院中に東京大学医科学研究所に行って、どのような遺伝子変異で白血病細胞が生まれたのか検査してもらいました。
遺伝子変異以外にも、移植で大事になってくる白血球の型(血液型とは別)を調べたりして、今後の治療に何か役立てられる情報が得られるのではないか検査しました。
もちろん、検査したからと言って、新たな治療法が見つかることは保証されないのですが、できることは全てやるつもりでいます。
また治療の経過報告や今後の治療方針が決まり次第、随時更新していきますね。
あとがき「病人にどう声がけするのが良いのか」
最後に、「病人への声がけ」をテーマに今僕が患者の立場として思う気持ちというのを綴りたいと思います。
ただ、あくまで僕個人の意見なので参考までにしてくださいね。
僕の知人が僕の白血病を知ったときに、
- 「言葉が見つからない・・・」
- 「頑張って欲しいけど、頑張れって言わないほうが良いよな?」
なんて言葉に詰まっている様子がありました。
みんなとは直接会っていないのでわからないのですが、その様子を想像しただけでも
「心配かけて申し訳ない」「治療頑張るから待ってて」
という気持ちは今も尚あります。
それは僕だけでなく、他の人がこれから病気になった時も言葉選びって慎重にしないといけないなぁと思います。
でも僕に至っては、どんな言葉も応援している気持ちがあれば嬉しい
と言うのが本音であり、そこまで気を使わなくてもいいと言うのが自分の意見です。
例えば、
「頑張っている人に対して”頑張れ”とは言えない」と考える人もいますが、病人である立場(あくまで僕の意見)からすれば
頑張れ=私はあなたを応援しているがその言葉の本質だと思っています。
ただ、受け取る側の気持ちや状況次第で、言葉一つ一つの捉え方が変わると思っていて、
前向きな時にかけられる「頑張れ」→応援されている
後ろ向きの時にかけられる「頑張れ」→もっと頑張れというのか?
と変化するなぁと感じてました。
気持ちの浮き沈みのせいで応援したつもりが逆に傷つけてしまうことは人によってはあるかもしれませんが、僕の場合はそこまで悪い方向に考えず、
「かけてくれた言葉の本質は何か」を理解するようにしています。
(なのでたくさん応援してください!笑)
ただ、例外として「これはあまりよろしくないかも・・」という言葉もありました。
それは同じ病棟にいる患者さんに言われた言葉ですが、
「君はまだ若いから絶対に治るよ」
という言葉。
さっきの話であれば、本質は「励ましている」かもしれません。
ただ、
若いから病気が治る ↔︎ 老いているから治らない
というのは治療に関しては関係ないですし、「若いから治る」はプレッシャーでしかないんですよね。
日常生活でも
- 若いからお酒たくさん飲めるよね?
- 若いから体力まだまだあるよね?
- 若いから病気にはならないよ
などなど、年齢を根拠に「若いから〜だよ」というのは無責任な主張でしかないんだなぁと気づきました。
僕自身も病気になる前に、「若いから〜だよ」なんて自分より年齢が若い人に無意識に使っていたと思いますが、もしかしたらプレッシャーをかけたり、夢を壊すようなことをしていたなと思うと反省しています。
何度も言いますがこれはあくまで僕の一個人の意見ですし、人によってはまた違う捉え方もあると思いますので、参考までに。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました。